Web市民公開講座
【2022年4月17日】

左から加藤先生、患者である檜田さん、石川さん、辻野先生

「肺高血圧症」はまれな病気であるため、
同じ悩みを持つ患者さんとふれ合う機会も多くありません。

そこで患者さん同士の交流を図り、
病気や治療について正しい知識を得るための
オンラインイベントを開催。

医師の立場から、病気の仕組みや診断のきっかけを、
患者さんの立場から、
仕事への影響やご家族のサポートについてお話しいただきました。

次の一歩を踏み出そうとする人に。
『6分』に込めた想い
一青窈さん 歌手

患者さんの診断や経過観察の一環として行う「6分間歩行検査」に着想を得て書き下ろした一青窈さんの楽曲『6分』。実際に患者さんにインタビューした様子や、患者さんに向けたエールとともに「この歌が次の一歩を踏み出そうとしている人に寄り添えるなら嬉しいです」と、メッセージを送っていただきました。

その「息切れ」、
気のせい/歳のせいにしていませんか?
辻野一三先生
北海道大学大学院医学研究院 呼吸・循環イノベーティブリサーチ分野 特任教授

肺高血圧症で多い初期症状は
息切れや動悸など

肺高血圧症の主な症状である、動作時の「息切れ」が起こるしくみ

辻野先生には、最新の知見をもとに、肺高血圧症の初期症状や、肺高血圧症の様々な病型についてご紹介いただきました。先生によると、患者さんの63%が「息切れ・動悸・胸部不快」を初期症状として挙げているそうです。これらの自覚症状は、年齢の影響や体力の低下と思われ見過ごされがちですが、肺高血圧症の重要なサインでもあります。
また、ひと口に「肺高血圧症」と言っても、その原因は多岐にわたります。「肺動脈によるもの、心疾患によるもの、肺の病気によるもの、慢性の血栓塞栓によるものなど、大きく5つの分類があります。膠原病や先天性疾患、肝疾患などの病気に関連して発症するケースも多く、これらの病気を抱える方でいつもと異なる症状に気づいたら、遠慮せず、早めに主治医に相談することが大切です」というお話でした。

早期受診、早期診断が治療のカギ!

日頃から自分の体調や症状に気をつけておくことが大切

次に「肺高血圧症」と診断されるまでの流れについて、ご説明いただきました。先生は、「肺高血圧症の診断には、超音波を用いた「心エコー検査」や、心臓、肺の血管の内圧や酸素濃度を調べる「右心カテーテル検査」など、様々な検査を行います。
病気の進行を早期に発見するためには、定期的な検査を行うことはもちろん、どんなときに息切れを感じるか、同じような息切れが過去にあったのかなど、日頃から自分の体調や症状に気をつけておくことが大切である」とおっしゃられていました。

今後私たちができること
患者さんの側から
1.同じような息切れは過去にあった?
2.家族や友人に感想をもらう
3.他の症状
(むくみ、ふらつき、咳、レイノー症状、皮疹など)はない?
4.体重、血圧、脈拍数、酸素飽和度を測ってみる
5.かかりつけ医に相談
医療の側から
1.医師に病気のこと(最初の症状、治療の進歩など)を知ってもらう
2.地域でのネットワークを作って、専門医に相談しやすい体制に
3.医学部生にも病気のことを知ってもらう

辻野先生講演スライドより

医師×患者さん
パネルディスカッション
辻野一三先生
北海道大学大学院医学研究院 呼吸・循環イノベーティブリサーチ分野 特任教授
加藤将先生
北海道大学病院 リウマチ・腎臓内科 講師
肺高血圧症の患者さん
檜田さま、石川さま

「この息切れ…運動不足?」。
私が診断を受けたきっかけ

次に「診断に至った経緯と早期診断のポイント」「自分らしく生きるために」をテーマにしたパネルディスカッションを行いました。前半は、肺高血圧症の発症から診断を受けるまでの経緯について。40代半ばで息苦しさや疲れやすさを感じた石川さんは、当時をこう振り返ります。
「はじめは運動不足だと思ってウォーキングをしていましたが、次第に歩けなくなるほどの息苦しさを感じるようになり、いろいろな病院にかかりました。いろんな検査を行うも、診断がつかず、『後日また来てください』と言われましたが、私としては一刻も早くなんとかしたくて別の病院を受診。そこで見つけていただきました」。

※患者さんの体験談は、患者さん個人の体験によるものです。すべての患者さんが同様な経過をたどるわけではありません。

「一人で悩まず相談を」自分らしく生きるために

後半は、病気になったことで、仕事や家事など日々の生活にどのような変化があったのか、治療を続けていく上でどのようなことを意識していたのか、患者さんご自身の経験を踏まえて、お話しいただきました。肺高血圧症と診断されて、長年勤めていた会社を退職した檜田さんに話を伺うと、「無理をしないこと」の大切さについて教えていただけました。
「いつ、どこで体の調子が悪くなるか常に不安な気持ちを抱えながら仕事を続けるのは難しいです。体調の悪い日は無理をせずに体を休めて、少しでも『おかしい』と感じた場合は、すぐに医師に見てもらうことが大切だと思います」。また、「気持ちがふさぎ込んだり体調が優れなかったりするときは、一人で悩まずに家族に相談しました。話を聞いてもらうことで気持ちが楽になりました」と、病気と向き合う上で、家族の存在は大きな支えとなることに気づかせてくれました。

※患者さんの体験談は、患者さん個人の体験によるものです。すべての患者さんが同様な経過をたどるわけではありません。

肺高血圧患者さんアンケート結果の報告
辻野一三先生
北海道大学大学院医学研究院 呼吸・循環イノベーティブリサーチ分野 特任教授

最後に、患者さんに「今後も肺高血圧症と付き合っていく中で、一番心配なことは何ですか?」と質問したアンケートの結果を、辻野先生から発表いただきました。結果は、医療者にとって意外なものだったようですが、病気のことだけでなく、仕事のこと、ご家族のことなど、さまざまな不安を抱える患者さんに対して、医療者として寄り添うことの大切さを語っていただきました。

ご参加いただいた方の
本イベントに対するアンケート結果

肺高血圧症の患者さんだけでなく、病気についてあまり知らない方もご参加いただいていましたが、視聴された9割以上の方から理解が深まったとの感想をいただきました。

主催
ヤンセンファーマ株式会社
株式会社QLife

後援
一般社団法人 全国膠原病友の会
NPO法人 肺高血圧症研究会
NPO法人 PAHの会
おおさかPHの会
ソクセン会
肺高血圧症患者会よつ葉の会

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