PAHのお薬
PAHを完全に治すことは
難しいとされてきましたが、
狭くなった血管を拡げるお薬を使うことで、
病気の進行を抑えることが期待できます
PAHを完全に治すことは難しいとされてきましたが、最近は、お薬を使って病気の進行を抑えることが期待できるようになりました。
しかし、病気が進行して肺動脈が拡がりにくくなると、肺移植が必要となる場合があるため、より早い段階で病気の進行を抑えることが重要です。
肺の血管を拡げるお薬は、現在、大きく3種類(エンドセリン受容体拮抗薬、PDE5阻害薬・sGC刺激薬、プロスタサイクリン受容体作動薬・プロスタサイクリン製剤)に分けられます。また、肺の血管の細胞が異常に増殖するのを抑えるお薬として、アクチビンシグナル阻害薬があります。これらのお薬はそれぞれ作用が異なり、2種類以上を組み合わせて使用すること(併用)でより良好な効果が期待できる場合があります。
肺の血管を拡げるお薬
エンドセリン受容体拮抗薬
血管を収縮させる物質を働かないようにするお薬

PDE5阻害薬・sGC刺激薬
血管を拡張させる物質を増やすお薬

プロスタサイクリン受容体作動薬・
プロスタサイクリン製剤
血管を拡張させる因子を補充する、または血管を拡張させる物質を増やすお薬

肺の血管の細胞の増殖を
抑えるお薬
アクチビンシグナル阻害薬
血管細胞の増殖を抑えるお薬(皮下注射薬)
患者さんの状態から
主治医が必要と判断した場合は、
肺の血管を拡げるお薬以外の治療を行います
患者さんの状態から主治医が必要と判断した場合は、肺の血管を拡げるお薬以外のお薬を使用します。
また、お薬以外の治療には酸素療法や肺移植があります。
日本循環器学会. 2025年改訂版 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2025/03/JCS2025_Tamura.pdf
(2025年12月閲覧)



