職場のサポート事例
C社(大手飲料メーカー)
Kさん(研究・開発業務)の場合

PAH患者さんが働きやすい、職場作りの取り組みを紹介します。

Kさん(40代女性)
罹患歴9年

総合職で内定を得て、入社後は研究部門に配属。30代でPAHと診断され、現在はエリア限定社員の管理職として、商品の研究・開発業務に携わる。現在勤続25年目。

企業情報

大手飲料メーカー。従業員数3,000名以上、東京に本社を置き、各種飲料の製造、販売を行う。全国各地に事業所、研究所、工場を展開する。

患者さんの課題

入社16年目
管理職になった直後にPAH発症

通勤中に急な息苦しさを感じ、検査でPAHと診断され入院。
管理職に昇進した直後だったため、
働き続けられるか不安で、退職も検討。

企業のサポート

特例としてエリア限定社員の
管理職を認める

退院後の面談で病状を確認。定期的な通院が必要だという
事情を考慮し、転居が発生しない雇用形態での
管理職継続を認めた。

結果

入院、通院を経ながら
管理職として活躍中

途中、治療薬変更のための2週間程度の入院や年1回の検査入院、
定期的な通院を重ねながらも、
管理職として活躍し続けている。

患者さんの課題

通勤ラッシュ時の混雑による
体への負担

長時間立ち続けると息切れがするため、
朝の通勤電車の混雑による体への負担が心配だった。

企業のサポート

時差通勤を承認し
朝礼を昼礼に変更

フレックスタイム制度を活用した始業時刻の繰り下げを認め、
朝礼を昼礼に変更。
多様な働き方を選択できるように配慮した。

結果

制度を柔軟に運用し
働き方の多様化に貢献

フレックスタイム制度を活用したことで、通勤の負担が軽減。
結果的に同制度を利用する社員も増え、
働き方の多様化につながった。

患者さんの課題

新しい部署でも
同じ配慮があるか不安

定期的に異動が行われるため、自分に可能な業務範囲、
必要な配慮などを新しい上司に理解してもらえるか
不安だった。

企業のサポート

社員台帳と年1回の
面談で情報共有

社内のイントラネットを用いて、事前に本人の要望を確認。
面談で、各種業務の担当の可否をヒアリングしてすり合わせた。

結果

上司間での引き継ぎや
マネジメントが容易に

異動が行われても、
事前に部署間で情報を共有してもらえることで、
引き継ぎをスムーズに行えて、安心感が増した。

〈 Kさんの声 〉
退職を考えたこともあった
それでも仕事を続けて
良かった

「PAH」と診断された時は、「まさか自分が」と大きなショックを受けました。何をしていても病気のことが頭から離れず、病気について調べては落ち込むという毎日を繰り返していました。仕事もままならず、一時は退職を決意しましたが、上司や周囲の配慮のおかげで今日まで仕事を続けることができました。働き続けてきてわかったのは「社会とつながりを持つこと」の大切さ。患者会などに参加して情報を交換することも良いと思いますが、病気以外のことに目を向ける機会を持つことで、自分の人生をより楽しむことができている気がします。

Column
PAH患者さんの職場環境への配慮を
人材確保の打ち手に

「企業に要望を伝えにくい」という患者さんの声を耳にします。しかし、採用面接にも関わるKさんによると、「以前よりも、面接で働き方や福利厚生に関する質問をする方が増えています。ワークライフバランスを重視する風潮からか、企業に自分の要望を伝えることが当たり前になってきているのかもしれません」とのこと。Kさんの事例は、人材不足に悩む企業にとって、PAH患者さんの「働きやすさ」を追求することで、従業員全体の「働きやすさ」につなげられるヒントになるのかもしれません。

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